グラフィックボードの選び方をわかりやすく解説【はじめての自作PC】

こんばんは、クスノキです。PCのスペックを決める上でCPUと並び重要なパーツに位置づけられるグラフィックボード。デスクワークやネットサーフィンに使うのであれば不要なパーツですが、ゲーミングPCや動画編集用として自作PCを組む場合にはCPUと同じくらい悩むパーツですよね。

今回は自作PC初心者の方向けにグラフィックボードの選び方のポイントや注意点についてまとめます。

2024年11月におすすめのゲーミングPC

製品名NEXTGEAR JG-A7G6TG-Tune DG-I7G7S
G-GEAR GE9A-X247/XBH
CPURyzen 7 7700i7-14700FRyzen 9 9950X
GPURTX 4060 TiRTX 4070 SUPERRTX 4080 SUPER
性能目安✕4K/60FPS
△WQHD/60FPS
◯フルHD/144FPS
◯フルHD/60FPS
✕4K/60FPS
◯WQHD/60FPS
△フルHD/144FPS
◯フルHD/60FPS
◯4K/60FPS
◯WQHD/60FPS
◯フルHD/144FPS
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※性能目安は負荷の重いサイバーパンク2077を基準とするもの
◯:設定を落とさず実現可能
△:設定を落とすことで実現可能
✕:実現不可

グラフィックボードの型番の見方

グラフィックボードはNVIDIAのものとAMDのものがあります。NVIDIA製のものは例えば「NVIDIA GeForce RTX 4060」のような名称です。AMDのものは「AMD Radeon RX 7900 XT」のような名称が付けられています。

iPhoneは新しいモデルが発売される度に「iPhone 14」のように後ろの数字が大きくなっていき、その世代のグレードは「iPhone 14 Pro」のようにProの名称が付けられてその差がわかりやすくなっています。

グラフィックボードにも世代がありその中に様々なグレードがあります。まずはメーカーごとに異なる製品名称の意味について解説します。

NVIDIAグラフィックボードの型番の見方

GPUの型番(例)
  • NVIDIA GeForce RTX 4060

NVIDIAのグラフィックボードの命名規則は以下の通りです。

NVIDIAメーカー名
GeForceブランド名
RTXグレード
4060世代性能(数字が大きいほど高性能)

基本的に数字が大きければ大きいほど性能が良いというルールなのでわかりやすいです。ただし「NVIDIA GeForce RTX 4060」と「NVIDIA GeForce RTX 3080」は数字だけ見ると4060の方が性能高そうですが世代が違うとこのお約束は成り立たないので注意しましょう。

現在一般消費者向けに販売されているNVIDIAグラボのグレードは「RTX」と「GTX」の2種類。

注意点としてNVIDIAには産業向け、研究向けモデルとしてQuadroという別のシリーズがありました。しかし、クアドロ枠の最新モデルは「NVIDIA GeForce RTX 5000」や4500、4000のようなややこしい名称になっています。そもそも価格が一般向けではありませんが自作の際には注意してください。

一般消費者向けに販売されているグラフィックボードには以下のようなラインナップがあります。

xx90超ハイエンド
xx80ハイエンド
xx70ミドル~ハイエンド
xx60ミドル
xx50エントリー

NVIDIAのグラフィックボードは世代が変わっても上記の命名規則で発売されています。「NVIDIA GeForce RTX 4060」であれば60なのでミドル向けという意味。これに付け加える形で「NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti」というTiの文字がついたモデルもありますが、無印モデルよりも性能が良いことを意味しています。4060と4070の間の性能を持つグラフィックボードです。

>4070>4060 Ti>4060>

一般消費者向けに発売されているグラフィックボードは上記の命名規則に当てはまるものから選びましょう。これから外れるものは一般消費者向けのものではありません。

細かく見ると2023年現在一般消費者向けに販売されている最新世代のNVIDIAグラフィックボードは下記リストです。この中から選びましょう。

一般消費者向けNVIDIAグラボ
  • NVIDIA GeForce RTX 4090
  • NVIDIA GeForce RTX 4080 SUPER
  • NVIDIA GeForce RTX 4080
  • NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPER
  • NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti
  • NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER
  • NVIDIA GeForce RTX 4070
  • NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
  • NVIDIA GeForce RTX 4060
  • NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER
  • NVIDIA GeForce GTX 1660
  • NVIDIA GeForce GTX 1650

AMDグラフィックボードの型番の見方

GPUの型番(例)
  • AMD Radeon RX 7900 XT

AMDのグラフィックボードの命名規則は以下の通りです。

AMDメーカー名
Radeonブランド名
RXグレード
7900世代性能(数字が大きいほど高性能)
XT細かな性能

末尾のXT。この末尾にはそのグラフィックボードの細かな性能を表すアルファベットがつけられます。左から順に性能が良いとされています。NVIDIAで言うところのTiがより細かく差別化されていると考えましょう。

接尾辞の性能順
  • XTX>XT>Pro>無印>SE>LE

NVIDIAと同じように数字が大きければ大きいほど性能が良いです。

このことから「Radeon RX 6950 XT」>「Radeon RX 6800 XT」>「Radeon RX 6800」という位置づけになります。世代をまたぐと必ずしもこの通りではないので注意しましょう。

NVIDIAとAMDはどっちが良いのか

グラフィックボードを選ぶ上でNVIDIAとAMDはどちらのほうが良いのかという疑問があります。用途によりますが、ゲーミングPCとしてグラフィックボードを選ぶ場合AMD選ぶ明確な理由がないのであればNVIDIAにしましょう。

多くのゲームがNVIDIAのGeForceシリーズに最適化しており、NVIDIAも新作ゲームが発売されるタイミングで最新ドライバを公開したりとゲーマー目線で快適な環境がNVIDIAのグラフィックボードには整っています。

PCゲームを遊ぶ上でほぼ利用するSteamのハードウェア調査を見てもシェア率上位はNVIDIA製のグラフィックボードで占められています。

AMDのグラフィックボードはNVIDIAの同一性能のものと比較すると低価格である点は魅力のひとつなのでコストパフォーマンスを重視する場合は選択肢に入るかもしれません。

グラフィックボードの選び方

グラフィックボードの型番の見方や一般論としてNVIDIAの方がおすすめであることを解説しました。ここからは実際にグラフィックボードを選ぶ上でどういう選び方をすれば良いか解説してみたいと思います。CPUと違ってグラフィックボードの場合は選び方も目的によって様々です。

ゲーミングPCを新調するという例で選び方を紹介します。

遊びたいゲームで選ぶ

遊びたいゲームを快適に遊ぶためにゲーミングPCを用意する場合はそのゲームを快適に遊ぶために必要な推奨スペックがどれくらいか確認しましょう。

アーマードコア6の推奨スペック
OSWindows 10/11
CPUIntel Core i7-7700
Intel Core i5-10400
AMD Ryzen 7 2700X
AMD Ryzen 5 3600
RAM12GB
GPUNVIDIA GeForce GTX 1060(6GB)
AMD Radeon RX 590
Intel Arc A750
Storage60GB
DirectXVersion 12
ARMORED CORE™ VI FIRES OF RUBICON – Steam

例えば「アーマードコア6」の推奨スペックはSteamの製品ページを見てみると「NVIDIA GeForce GTX 1060」以上が望ましいようです。

この推奨スペックはどれくらいの快適度を実現するための推奨スペックかは公表されていません。(細かく公表する作品もある)一般的にはフルHD(1920×1080)での快適度合いを表しています。

ゲームの解像度や画質設定をより高い状態で遊ぶのであれば必要になるグラフィックボードの性能はより高度なものになります。一つの目安として提示されているものよりも2段階は上の方が快適になりやすいです。

2段階上のものは予算的に厳しいよという場合においても遊びたいゲームの推奨スペック以下になることは避けましょう。せっかくお金をかけてPCを用意しても快適に遊べません。

解像度とフレームレート目標で選ぶ

ゲームをプレイする環境は様々。FPSゲームであれば解像度はフルHD、せいぜいWQHDで十分でしょう。反面フレームレートは144FPS、理想的には240FPS出せるととても快適と言えます。

アクションRPGだとフレームレートは60FPSくらいで十分だけど解像度は4Kが良いなという人もいますよね。

今発売されているNVIDIAの「RTX 40」世代における性能目安は以下のとおりです。実際の性能はゲームが求める負荷に依存するので下記リストに当てはまらない作品もある点はご容赦ください。

FPSゲームにおけるグラフィックボード別快適度(Apex Legendsで想定):

RTX 4090RTX 4080 SUPERRTX 4080RTX 4070 Ti SUPERRTX 4070 TiRTX 4070 SUPERRTX 4070RTX 4060 TiRTX 4060GTX 1660 Super
4K/60FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適快適厳しい
WQHD/144FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適快適快適厳しい
WQHD/60FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適
フルHD/240FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適厳しい厳しい厳しい
フルHD/144FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適厳しい
フルHD/60FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適

アクションRPGにおけるグラフィックボード別快適度(とても重いサイバーパンク2077で想定):

RTX 4090RTX 4080 SUPERRTX 4080RTX 4070 Ti SUPERRTX 4070 TiRTX 4070 SUPERRTX 4070RTX 4060 TiRTX 4060GTX 1660 Super
4K/60FPSとても快適快適快適厳しい厳しい厳しい厳しい厳しい厳しい厳しい
WQHD/60FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適快適厳しい
フルHD/144FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適快適快適快適厳しい
フルHD/60FPSとても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適とても快適快適快適
とても快適:最高設定でも余裕がある
快適:設定を落とすことで実現可能
厳しい:その価格帯での実現は難しい

グラフィックボードを選ぶときの注意点

メーカーとバリエーションを選ぶ

グラフィックボードを製造しているのはNVIDIAとAMDの2種類しかありませんが、実際に我々が購入するのはASUSやMSIやGIGABYTEといったメーカーが発売しているものになります。同じチップを使用しているので実際の性能に大きな違いがあるわけではありませんが、オーバークロックしてあるモデルやファンの性能を強くした冷却性に優れるモデルなど多くのバリエーションが用意されています。

LEDの有無やデザインも様々なので好きなものを選んでみると良いでしょう。

例として「NVIDIA GeForce RTX 4070」のバリエーションの一部を紹介します。

電源ユニットの容量は十分か

グラフィックボードはCPUよりも必要な消費電力が大きいので、選ぶグラフィックボードによっては電源ユニットの容量が不足する可能性があります。

新しくPCを作る場合は電源容量が足りるかどうか。既にPCを構築している人がグラフィックボードを交換する場合には今使用している電源ユニットで不足はないか確認するようにしましょう。

電源ユニットの選び方と容量の計算方法について具体的なスペックを用いて解説しているので気になる方は下記記事をご覧ください。

PCケースにおさまるサイズか

最近のグラフィックボードはとても大きいです。フルタワーやミドルタワーのPCケースであれば多くの場合ケースにおさまるとは思いますが、ケースによっては大きなグラフィックボードを取り付けるスペースが足りていないものがあります。

サイズ面に無理はないかどうか確認するようにしましょう。

おわりに

グラフィックボードはクリエイティブな作業やゲームを快適に行うために必須でCPUと同じように重要なパーツの一つです。ゲームの性能を決める上ではCPU以上に重要です。

また、新しいPCを用意するときにCPUとグラボのどっちを優先するか迷う方も多いと思うのでこんな記事を作ってみました。

他にも自作PCを作るうえで最低限必要なパーツと選び方についてまとめた記事もあるので忘れ物がないかどうか確認してみてください。



クスノキ

クスノキ

調べても難しく書いてあることが多い自作PCに関する情報をわかりやすく、それでいて網羅度の高いコンテンツ作成を目指しています。レビューもおすすめです。

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