こんばんは、クスノキです。
今回は自作PC初心者の方向けにSSDの選び方のポイントや注意点についてまとめます。
2024年12月におすすめのゲーミングPC
製品名 | NEXTGEAR JG-A7G6T | G-Tune DG-I7G7S | G-GEAR GE9A-X247/XBH |
---|---|---|---|
CPU | Ryzen 7 7700 | i7-14700F | Ryzen 9 9950X |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4070 SUPER | RTX 4080 SUPER |
性能目安 | ✕4K/60FPS △WQHD/60FPS ◯フルHD/144FPS ◯フルHD/60FPS | ✕4K/60FPS ◯WQHD/60FPS △フルHD/144FPS ◯フルHD/60FPS | ◯4K/60FPS ◯WQHD/60FPS ◯フルHD/144FPS |
公式ページ | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
◯:設定を落とさず実現可能
△:設定を落とすことで実現可能
✕:実現不可
目次
SSDの選び方
大きさ(フォームファクター)で選ぶ
デスクトップPCという前提で話を進めるとSSDには2.5インチというものとM.2という2つの大きさがあります。
カード型みたいなタイプが2.5インチで基板型がM.2です。
2.5インチ型のSSDはSATAケーブルと電源供給ケーブルを挿してマザーボードと接続し、M.2型のSSDはマザーボードに用意されているスロットに直接接続する違いがあります。
2.5インチ型のSSDはほぼすべてのデスクトップPCであれば接続可能ですが、M.2型のSSDはマザーボードにM.2スロットがあるかどうかを確認しなくてはなりません。
ただし、最近のマザーボードはほぼM.2スロットを有しており、M.2スロットのほうが転送速度の面で高性能、さらに2.5インチ型SSDとM.2型SSDの価格差がほとんど無くなっていることから、これからPCを自作するならM.2型SSDを1つ目のドライブとして良いです。
CドライブにM.2型SSDを、それ以外に保存領域を拡張する場合は2.5インチのSSDを検討すると良いです。M.2型SSDを2枚挿したりスロットを拡張することもできますが、規格の落とし穴があったりするので別途注意が必要です。
規格で選ぶ
SSDの規格には主にSATAとNVMeの二つがあります。
SATAはサタともシリアルATAとも呼ばれる規格で、HDDにも使用されています。NVMeと比べると転送速度が遅いですが、多くのデバイスとの互換性を持つことが特徴的です。SATA規格は元々HDDように設計されたもので限界転送速度である6Gbpsを超えられるSSDが本来持ち得る性能を制限していました。
これを解決するために新たに設計されたのがNVMe規格です。
NVMeはPCI Express(PCIe)バスを使用する新しい規格で、主にM.2で使用されます。マザーボードに直接装着する形です。SATAと比較して転送速度が速く、高い応答性や効率的なデータ処理に活躍します。そのため、高い転送速度を必要とする作業やゲームに適しています。
高い転送速度を実現する反面、NVMe SSDは熱を持ちやすいことがデメリットになるのでM.2 SSDを効率的に冷却するヒートシンクを備えたマザーボードも販売されています。
注意点として2.5インチSSDはSATAしかありませんが、M.2型にはSATA式とNVMe式の二つが混在しています。購入の際はM.2 NVMeと記載されているかどうかに注意しましょう。(M.2 SATAの性能は2.5 SATAとほぼ変わらないのでもったいない)
容量で選ぶ
ここまではSSDの形を決めるものでしたが、実際に多くの方が神経質になるのは容量はどれくらいあれば十分かです。容量は用途に大きく依存するので適切な容量は人によります。
仮にPCを自作してやることはブラウジングや動画鑑賞のみ、Officeでたまにデスクワーク、この程度の用途で住むのであれば容量は最低でも256GB、512GBあれば十二分です。この用途で1TBは持て余します。
反面、ゲームをする予定があるとか、写真や動画を沢山保存しておきたいとか、データ量が必要になる用途が想定される場合には最低でも1TB以上は必要で、多ければ多いほど快適です。
特に最近の大型ゲームはインストールするだけで容量が100GB超えることも多く、多くのゲームをインストールしている状態だと案外すぐに容量が限界を迎えます。
PCを自作することを試みている人であればSSDやHDDの拡張はかんたんな部類になるので実際にPCを使い始めてから不足を感じたら買い足すというやり方でも良いと思います。
ただし、OSをインストールしているドライブを後から入れ替えるのはそれとは手間が異なるのでOSをインストールするドライブはできるだけ多くしておきましょう。
- ブラウジングや動画鑑賞:256GB・512GB
- ゲームや容量を必要とする作業:1TB以上
動画編集をする場合はどちらにせよ1枚で完結させるのは不可能です。2枚目、3枚目のSSDやHDDを検討してください。
速度で選ぶ
OSの起動速度やゲームの起動、読み込み時間に関わるのが転送速度です。HDDは遅く、SSDは早いという認識が一般的ですが、SSDもSATA式とNVMe式で転送速度が大幅に異なります。
ゲームを快適にプレイする上で望ましい速度は読み込み・書き込み速度共に500MB/s以上です。
ゲーム時の快適度合い: | |
---|---|
5,000MB/s以上 (NVMe Gen4) | 非常に快適 |
1,500MB/s以上 (NVMe Gen3) | とても快適 |
500MB/s以上 (SATA3) | 快適 |
300MB/s以下 (HDD) | 普通(orゲームによっては遅い) |
- M.2 NVMe Gen4:約10,000円
- M.2 NVMe Gen3:約9,000円
- SSD SATA:約8,000~10,000円
- HDD SATA:約5,000円~
記事公開時点で記憶媒体の参考価格を調べましたが、1TB以下ではSSDの規格による価格差は軽微です。この程度の差であれば明らかに性能に優れるM.2 NVMe Gen4を選びましょう。
容量が2TB以上になるとどちらにするか検討するだけの価格差がありますが、それでもSSDかHDDかで判断して良い範囲内です。
NVMeはPCI Express(PCIe)バスを使用する新しい規格で、主にM.2で使用されるものと解説しましたが、この規格にもUSB2.0やUSB3.0のようにバージョンによって性能が異なり、現在M.2型SSDはPCIe Gen4とPCIe Gen3の二種類が主流でGen5のものも登場し始めました。
SSDとHDDはどっちがおすすめか
SSDとHDD、大きく2つの記憶媒体がありますが、わざわざHDDを選ぶメリットがほぼ無くなっています。以前であればSSDは高価でHDDは安価という隔たりがありましたが、現在では1TBレベルであれば顕著な価格差があるとは思えず、数千円高くとも快適性に直結する性能を取りに行ったほうが良いと考えます。
動画編集のような数TBに渡るデータを保存する場合はHDDの方が安く用意することができるのでおすすめですが、逆にOSをインストールしたりゲームをインストールする場合はSSDで間違いないです。
SSDの規格をどれにするかは予算によって変えて良いです。たしかに性能は異なりますが、快適性に露骨に反映されるほどの差は通常の使い方であればありません。(OSの起動やゲームのローディング等)
ただしHDDとSSDは3倍~5倍程度の差が認められるので最低でもOSをインストールする記憶媒体はSSDを強く推奨します。
M.2 SSDを選ぶときの注意点
M.2式のSSDを購入する場合の注意点を2つ解説します。
マザーボードとCPUはPCIe Gen4に対応しているか
M.2式のSSDはマザーボードに直接搭載する仕様になるため、マザーボード側もM.2スロットを持っているものでなくてはなりません。
M.2スロットはPCIeというインターフェースを利用しています。仮にM.2 NVMe Gen4(PCIe 4.0)のSSDを用意した場合、CPUとマザーボードがPCIe 4.0に対応している必要があります。
もし、Gen4のSSDを用意したけれど、マザーボードもしくはCPUがGen3までしか対応していない場合でも、PCIeは下位互換性を備えているため問題なく使うことはできますが、製品が持つ性能を最大限引き出すことができない点には注意が必要です。(Gen3として機能することになる)
M.2 SATAではなくM.2 NVMeを選んでいるか
M.2式にはM.2 SATAとM.2 NVMeの二通りあります。購入しようとしている製品が間違いなくM.2 NVMe型であるかを確認してください。
意図的にM.2 SATAを購入する場合はこの限りではありませんが、性能の差に対して価格差がないのでわざわざM.2 SATAを選ぶ理由はありません。(M.2 SATAは2.5 SATAと同程度の性能)
おわりに
改めてSSDの選び方のポイントを見てみましょう。
SSDは容量で選ぶ方が多いと思いますが、その中身は様々です。AmazonでSSDと検索しても2.5インチのものも出てくるしM.2 NVMeも出てきます。その違いを知らずにいると値段で選びがちですが、規格が異なると性能も違うので注意が必要です。
はじめての自作PCで各パーツごとに覚えることが多くて大変かもしれませんが、少しでも参考にしていただければ幸いです。