CPU・グラボ別おすすめ電源容量と計算式まとめ

こんばんは、クスノキです。新しくPCを自作するときに電源容量をどれくらいにするか悩む人が多いと思います。このページでは電源ユニットの選び方と各CPUと各グラボの組み合わせに必要な電源容量を解説します。

組み合わせは各世代ごとに紹介します。

PC電源ユニットの選び方

電源ユニットはマザーボードやCPU、グラボと言った各パーツに電力を効率的に供給するためのものなので構成スペックの消費電力に満たない電源容量ではPCが正しく動作しない可能性があります。

とは言っても、電源ユニットをどう選べば良いか難しいという方向けに電源ユニットの選び方をかんたんに解説します。

電源容量は合計消費電力の約1.3~1.5倍

初心者の方はPCの電源ユニットは各パーツの消費電力を合計した値の1.5~2倍の容量にしましょう。

費用を抑えるコスパ重視の方はPCの電源ユニットは各パーツの消費電力を合計した値の1.3~1.5倍の容量にしましょう。

理由は電源負荷率が50%の時が最も電源にとって心地のよい状態であり、これが電源ユニットの寿命を長くすることに寄与し、発熱を抑えられます。将来パーツを新調したりする際の余裕分としても重要です。

600W必要なPC構成で電源ユニットの容量が600Wであった場合、電源ユニットは常に100%の力で全力疾走することになります。しかし600W必要なPCで1200Wの電源を使用するのであれば余裕を持って走ることができます。

そしてPCの電源ユニットにおいて最も余裕を持って気持ちよく走れる（変換効率の良い）負荷率が50%に設計されているので各パーツの消費電力の合計値の2倍の電源ユニットを搭載しましょうと言われているわけです。

ただし。PCを普通に使う上で100%の電力が使用することは非常に稀です。CPUやグラフィックボードやSSDをすべて100%で動員されることは余程変態的に使わない限り難しいです。

このことから当サイトでは各パーツの消費電力を合計した値の1.5倍の電源ユニットを搭載しておけば余剰分も含めて十分と考えます。

電源ユニットの品質判断は80 PLUS認証

PCの電源ユニットは80 PLUS（エイティープラス）と呼ばれる規格が設けられており、どのランクの認証を受けているかでその電源ユニットの性能がわかるようになっています。

現在80 PLUSには6種類のランクが設けられており、それぞれ以下のような違いがあります。

ランク	アイコン	電力変換効率
		負荷率 20％	負荷率 50％	負荷率 100％
80 PLUS		80%	80%	80%
80 PLUS Bronze		82%	85%	82%
80 PLUS Silver		85%	88%	85%
80 PLUS Gold		87%	90%	87%
80 PLUS Platinum		90%	92%	89%
80 PLUS Titanium		92%	94%	90%

どのランクの電源ユニットを選ぶかはユーザーによって異なるので一概には言えませんが一般的に80 PLUS Gold以上の電源ユニットを選べば間違いないと言われています。

予算に余裕がある方は80 PLUS Titaniumも候補になりますし、予算に限りがある方は80 PLUS Bronzeの電源ユニットでも良いでしょう。

より電力変換効率の優れている電源ユニットの方が同じ電源容量であっても高価になります。

各パーツの合計消費電力の求め方

電源ユニットの選び方がわかったら次にすることは自分が作ろうとしている自作PCにはどれくらいの容量が必要かの確認です。

下記の簡易的な公式を使ってください。

（CPUの消費電力＋グラボの消費電力＋75W）x 1.5＝推奨電源容量

75Wの内訳はおおまかにマザーボードが50W、メモリが15W、SSD(HDD)が10Wなどです。CPUとグラボを除いたその他のパーツが必要とする消費電力の総和がおよそ75Wです。

これらの式を用いて具体的にAというCPUとBというグラボの場合どれくらいの電源ユニットが必要になるかを次項で解説します。

CPU別電源ユニットの推奨電源容量

具体的に各CPUとグラボの組み合わせでは、どれくらいの電源容量が必要になるかを表にしてみました。

（CPUの消費電力＋グラボの消費電力＋75W）x 1.5＝推奨電源容量

推奨電源容量は計算式は上記を用いて算出しました。実際の推奨容量は細かな数字になりますが販売されている電源容量は主に550W、650W、750W、850W、1000W、1200Wなのでこの中から最も適したものを選んでいます。

当サイトでは推奨電源容量を必要な電力目安の1.5倍としています。最低でも必要な電源容量については個別ページにて記載してるので1.5倍未満の電源にする場合はご確認ください。

とはいえ、1倍では不安が大きいためコスト重視の場合でも最低1.3倍以上にすることを推奨します。

Intel

Intel 第14世代CPU（2023年）

	i9-14900K (125W)	i7-14700K (125W)	i5-14600K (125W)
RTX 4090 (450W)	1000W	1000W	1000W
RTX 4080 SUPER (320W)	850W	850W	850W
RTX 4080 (320W)	850W	850W	850W
RTX 4070 Ti SUPER (285W)	750W	750W	750W
RTX 4070 Ti (285W)	750W	750W	750W
RTX 4070 SUPER (220W)	650W	650W	650W
RTX 4070 (200W)	650W	650W	650W
RTX 4060 Ti (165W)	550W	550W	550W
RTX 4060 (115W)	550W	550W	550W

• Intel Core i9-14900Kにおすすめの電源容量
• Intel Core i7-14700Kにおすすめの電源容量
• Intel Core i5-14600Kにおすすめの電源容量

Intel 第13世代CPU（2022年）

	i9-13900K (125W)	i7-13700K (125W)	i7-13700 (65W)	i5-13600K (125W)
RTX 4090 (450W)	1000W	1000W	850W~ 1000W	1000W
RTX 4080 SUPER (320W)	850W	850W	750W	850W
RTX 4080 (320W)	850W	850W	750W	850W
RTX 4070 Ti SUPER (285W)	750W	750W	650W	750W
RTX 4070 Ti (285W)	750W	750W	650W	750W
RTX 4070 SUPER (220W)	650W	650W	550W	650W
RTX 4070 (200W)	650W	650W	550W	650W
RTX 4060 Ti (165W)	550W	550W	550W	550W
RTX 4060 (115W)	550W	550W	450W~ 550W	550W

• Intel Core i9-13900Kにおすすめの電源容量
• Intel Core i7-13700Kにおすすめの電源容量
• Intel Core i7-13700におすすめの電源容量
• Intel Core i5-13600Kにおすすめの電源容量

AMD

Ryzen 第5世代（2022年）

	Ryzen 9 7950X (170W)	Ryzen 9 7900X (170W)	Ryzen 7 7700X (105W)	Ryzen 5 7600X (105W)
RTX 4090 (450W)	1000W~ 1200W	1000W~ 1200W	850W~ 1000W	850W~ 1000W
RTX 4080 (320W)	850W	850W	750W	750W
RTX 4070 Ti (285W)	850W	850W	750W	750W
RTX 4070 (200W)	650W	650W	650W	650W
RTX 4060 Ti (165W)	650W	650W	550W	550W
RTX 4060 (115W)	550W	550W	550W	550W

• Ryzen 9 7950Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 9 7900Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 7 7700Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 5 7600Xにおすすめの電源容量

Ryzen 第4世代（2020年~2022年）

	Ryzen 9 5950X (105W)	Ryzen 9 5900X (105W)	Ryzen 7 5800X (105W)	Ryzen 7 5700X (65W)	Ryzen 5 5600X (65W)	Ryzen 5 5600 (65W)
RTX 4090 (450W)	850W~ 1000W	850W~ 1000W	850W~ 1000W	850W~ 1000W	850W~ 1000W	850W~ 1000W
RTX 4080 (320W)	750W	750W	750W	750W	750W	750W
RTX 4070 Ti (285W)	750W	750W	750W	650W	650W	650W
RTX 4070 (200W)	650W	650W	650W	550W	550W	550W
RTX 4060 Ti (165W)	550W	550W	550W	550W	550W	550W
RTX 4060 (115W)	550W	550W	550W	450W~ 550W	450W~ 550W	450W~ 550W

• Ryzen 9 5950Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 9 5900Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 7 5800Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 7 5700Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 5 5600Xにおすすめの電源容量
• Ryzen 5 5600におすすめの電源容量

グラボ別電源ユニットの推奨電源容量

NVIDIA

RTX 40シリーズ（2022年～）

	170W CPU	125W CPU	105W CPU	65W CPU
RTX 4090 (450W)	1000W~ 1200W	1000W	850W~ 1000W	850W~ 1000W
RTX 4080 SUPER (320W)	850W	850W	750W	750W
RTX 4080 (320W)	850W	850W	750W	750W
RTX 4070 Ti SUPER (285W)	850W	750W	750W	750W
RTX 4070 Ti (285W)	850W	750W	750W	650W
RTX 4070 SUPER (220W)	750W	650W	650W	550W
RTX 4070 (200W)	650W	650W	650W	550W
RTX 4060 Ti (165W)	650W	550W	550W	550W
RTX 4060 (115W)	550W	550W	550W	450W~ 550W

• NVIDIA GeForce RTX 4090におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4080 SUPERにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4080におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPERにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4070 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPERにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4070におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4060 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 4060におすすめの電源容量

RTX 30シリーズ（2020年～2022年）

	170W CPU	125W CPU	105W CPU	65W CPU
RTX 3090 Ti (450W)	1000W	1000W	1000W	950W~ 1000W
RTX 3090 (350W)	1000W	850W	850W	750W
RTX 3080 Ti (350W)	1000W	850W	850W	750W
RTX 3080 (320W)	850W	850W	750W	750W
RTX 3070 Ti (290W)	850W	750W	750W	650W
RTX 3070 (220W)	750W	650W	650W	550W
RTX 3060 Ti (200W)	750W	650W	650W	550W
RTX 3060 (170W)	650W	550W~ 650W	550W	550W
RTX 3050 (130W)	550W~ 650W	550W	550W	450W~ 550W

• NVIDIA GeForce RTX 3090 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3090におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3080 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3080におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3070 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3070におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3060 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3060におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce RTX 3050におすすめの電源容量

RTX 16シリーズ

• NVIDIA GeForce GTX 1660 Tiにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce GTX 1660 Superにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce GTX 1660におすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce GTX 1650 Superにおすすめの電源容量
• NVIDIA GeForce GTX 1650におすすめの電源容量

Radeon

Radeon 7000シリーズ（2022年末～）

• Radeon RX 7900 XTXにおすすめの電源容量
• Radeon RX 7900 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 7800 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 7700 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 7600におすすめの電源容量

Radeon 6000シリーズ（2020年～2022年）

• Radeon RX 6950 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6900 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6800 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6800におすすめの電源容量
• Radeon RX 6750 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6700 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6650 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6600 XTにおすすめの電源容量
• Radeon RX 6600におすすめの電源容量
• Radeon RX 6500 XTにおすすめの電源容量(消費電力目安：160W)
• Radeon RX 6400におすすめの電源容量(消費電力目安：132W)

おわりに

（CPUの消費電力＋グラボの消費電力＋75W）x 1.5＝推奨電源容量

すべての組み合わせは紹介しきれないので、もし自作しようとしている組み合わせがなかったら下記目安表を参考にしてご自身で計算してみてください。