PCを自作するときやBTOでゲーミングPCを購入するときにSSDの容量をどれくらいにするか迷います。
今回はSSDの容量はどれくらいがおすすめなのか各容量ごとに目安を解説します。
目次
SSDの容量とWindowsで扱える容量の違い
メーカー公称値とWindows上の容量の違い
SSDの商品概要を見てみると256GBや512GB、1TBといったキリの良い数字で表記されています。
これはSSDメーカーが1GB=1000MB=10000000KB=1000000000Bと計算しているためこう表記されます。これは10進数で計算されていますが、あくまでも10進数は人間が理解しやすい進数であり、コンピューター上では2進数が用いられます。
2進数に当てはめ直すと以下のようになります。
10進数 | 2進数 | |
---|---|---|
1GB | 1,000MB | 1,024MB |
1MB | 1,000KB | 1,024KB |
1KB | 1,000B | 1,024B (210) |
10進数では1GBの容量が1000MBですが、2進数上で1,024MBを1GBとして扱うので、メーカーがSSDの容量を128GBや512GBという数字で出していてもPC上で扱えるデータ量は表記されている数字よりも少なくなります。
SSD容量 | PC上で扱える容量 |
---|---|
128GB | 119GB |
256GB | 238GB |
512GB | 476GB |
1TB | 931GB (約0.9TB) |
2TB | 1,862GB (約1.8TB) |
Windows OSの容量を考慮すると
128GBのSSDを購入した場合、実際に使える容量は119GBです。少なくなってしまいました。ですが、これに加えてWindowsのOSをインストールするのでOSの容量を考慮した容量がユーザーが実際に扱える容量です。
Windows 11の容量を約30GBと見積もります。(インストール要件は64GB)これにOS以外のアプリケーションが10GBインストールされている場合の空き容量を以下に示します。
SSD容量 | 実際に保存できる容量 |
---|---|
128GB | 79GB |
256GB | 198GB |
512GB | 436GB |
1TB | 891GB (約0.89TB) |
2TB | 1,822GB (約1.8TB) |
1TB以下ならSSD容量の価格差は少ない
実際にユーザーが好きにできる容量は見た目より少ないことがわかったと思います。SSDは空き容量が少なくなれば少なくなるほど性能が著しく悪化する特性を持っており、快適性に大きな差が出ます。
このことから、SSD容量はできるだけ余分に搭載することが望ましいのですが、実際に販売されているSSDの容量別の価格差はどれくらいでしょうか。
今回調査したSSDは2.5インチ SATAタイプのSSDとNVMe Gen4タイプの2種類です。どっちのSSDを買ったほうが良いかについてはSSDの選び方を参考にしてください。
まずは2.5インチ SATAタイプのSSDの価格差を見てみます。いずれも記事公開時点の参考価格である点ご容赦ください。
- 128GB:2,180円
- 256GB:4,980円
- 512GB:6,980円
- 1TB:7,880円
- 2TB:19,800円
続いて現在本流となってきたM.2 NVMe Gen4タイプの定番SSDの価格差です。M.2 NVMe Gen4では低用量はあまり作られていないようです。Gen3の別製品であれば128GBが2,280円、256GBが3,380円でした。
- 128GB:-
- 256GB:-
- 500GB:約9,200円
- 1TB:約9,600円
- 2TB:約20,000円
この価格差をどう解釈するかは用途や予算によります。そこで次に用途別におすすめのSSD容量を解説します。
【用途別】おすすめのSSD容量
改めて実際に保存できる容量の対応表を確認してみましょう。
SSD容量 | 実際に保存できる容量 |
---|---|
128GB | 約79GB |
256GB | 約198GB |
512GB | 約436GB |
1TB | 約891GB (0.89TB) |
2TB | 約1,822GB (1.8TB) |
128GB SSDがおすすめな人
128GBとして販売されているSSDは実際に保存できる容量は約79GBです。この空き容量のうち最低でも30GBはSSDの性能担保のために残しておきたいとなると好きに使えるのは約50GBになります。
この容量でゲームをインストールするのは厳しく、映画や音楽などのメディアを保存するのも困難です。
よって128GBのSSDでも不足なく満足できるのは日常ブラウジングしかしない場合です。むしろ「私はこの用途のためだけにPCを使うんだ」という明確な目的がないと後々不便を感じてしまうでしょう。
デスクワークもこなすことできるでしょうが、仕事のデータを保存していくには不安が残るので仕事は会社のPCを使用し、極稀に家のPCでも作業をするかもという場合を除いておすすめできません。
256GB SSDがおすすめな人
256GBとして販売されているSSDは実際に保存できる容量は約198GBです。この空き容量のうち最低でも30GBはSSDの性能担保のために残しておきたいとなると好きに使えるのは約160GBになります。
160GBあれば仕事に使っても動画や音楽を”ある程度”保存しても不足を感じる場面は少ないでしょう。
ある程度、音楽は1曲辺り50MBとすると3,200曲保存できます。余裕ですね。映画は1本辺り5GBとすると32本保存できます。
人によっては十分、人によっては足りないといった水準です。
PCでゲームをする、いわゆるゲーミングPCとして使う場合256GBでは不足します。最近のゲームは1本あたり50GB以上のものもの多いため3作品インストールしたらもう限界です。
用途的に256GBか512GBのどっちにするかぎりぎり迷うなら512GBにしておきましょう。それによる出費はあまり大きくありません。
512GB SSDがおすすめな人
512GBとして販売されているSSDは実際に保存できる容量は約436GBです。この空き容量のうち最低でも30GBはSSDの性能担保のために残しておきたいとなると好きに使えるのは約400GBになります。
一般的な使い方であれば512GBのSSDを搭載しているPCで容量不足になる場面はめったにないでしょう。SSDの価格差が小さければ512GBを選んでも良いと思います。
一方ゲーミングPCとして運用することを考えるなら512GBがスタートラインです。
最近のゲームは大容量化が進んでおり、1本あたり50GBと計算すると8本のゲームをインストールすると他に余裕がない状態に陥ります。
動画編集などを行う場合も512GBでは足りません。先に示した通り512GBと1TBのSSDでは価格差があまりありませんから、こういった用途であれば予め余分を持った容量にしておくことをおすすめします。
1TB以上のSSDがおすすめな人
1TBとして販売されているSSDは実際に保存できる容量は約891GBです。この空き容量のうち最低でも30GBはSSDの性能担保のために残しておきたいとなると好きに使えるのは約780GBになります。
780GB好きに使えるとある程度のクリエイティブな作業やゲーミングPCとしてもあまり不足は感じません。
ゲーミングPCや動画編集を行う方にも広くおすすめできる容量です。
他方で業務的に動画編集を行ったり日常的に4K動画を扱う場合は1TBではまだまだ不足します。
これに当てはまる人は多くの場合2枚目、3枚目のSSDを用意したり外付けSSDや外付けHDDを用意します。
SSDを無理に1枚にする必要はない
SSDの容量は2TB以上の容量も販売されていますが、販売価格も跳ね上がります。
2TBのSSDを1枚用意するよりも1TBを2枚用意するほうが安く収まるなんてこともザラです。それらを考慮すると無理にSSDを1枚にせず2枚用意するのも賢い選択かもしれません。
また、動画などの素材は外付けデバイスに保存することを前提とする方であれば、CドライブのSSDは256GBで十分という場合もあるでしょう。
SSDやHDDの拡張はPCのカスタマイズの中では最もかんたんな部類ですから手間も限定的です。そのため、PCを自作、購入する時点で予算が限られていればOSをインストールするSSDを256GB程度に抑えておき、余裕ができたもしくは不足を感じたタイミングで2枚目のSSDを買い足すというやり方も考えられます。
おわりに
SSD容量 | 目安 |
---|---|
64GB | PCでは無理 |
128GB | ブラウジングやメールなど限定的な用途であればおすすめできる |
256GB | 普段使いで不便することはないためおすすめできるが、大量にデータを保存する人には不足する容量 ゲームや動画編集には足りない |
512GB | 最も多くの方におすすめできる容量 どんな用途でも基本的には応えられるが、ゲームや動画編集にはやり繰りしないと厳しくなる |
1TB | ゲームやクリエイティブな作業をする方におすすめできる容量 ゲームであれば基本問題が生じることは少ないが、4Kの動画編集や仕事として扱う場合には不足する |
SSDの容量はどれくらいがおすすめか、容量ごとに目安を解説しました。特にSSDの容量は256GBと512GBはどっちが良いだろう、512GBと1TBはどっちが良いだろうと迷われる方が多いようです。
基本は大は小を兼ねるので、予算的に価格差が許されるなら大きい方を買って後悔はないと思います。以前と比べると隣り合わせの容量は価格差が小さくなっていますので。
これからSSDを購入しようという方はぜひSSDの選び方についても解説しているので興味がある方はぜひ御覧ください。