こんばんは、クスノキです。今回はキーボードの、とりわけメカニカルキーボードのキースイッチの種類とそれぞれのスイッチが持つ特徴について解説します。
目次
メカニカルキーボードとパンタグラフキーボードの違い
キーボードにはメカニカルキーボードとパンタグラフキーボードの2つのタイプがあります。
メカニカルキーボード
メカニカルキーボードはキーを押すとメカニカルスイッチが作動して文字が入力される方式のキーボードです。キーの反応が良いことやキータッチが軽いことから正確なタイピングに向いていることが特徴です。メカニカルキーボードは製品が対応していればキースイッチを後から交換することができ、自分好みのキーボードを作ることができます。
打鍵感やゲームプレイをより快適にしたい方に人気のキーボードでプログラマーやゲーマー、とりわけ長時間キーボードを使う方に人気がある方式です。
パンタグラフキーボード
パンタグラフキーボードはキーを押すと薄い金属板が曲がりそれによって文字が入力される方式のキーボードです。メカニカルキーボードと比較するとキーの反応が遅くキータッチも重たいことが特徴です。しかし安価に製造可能であることからオフィスなどでよく使われている方式です。
多くのノートパソコンではこのパンタグラフキーボードが採用されており、一般業務向けPCを購入した際に付属しているキーボードにはこのパンタグラフキーボードが多い印象です。
今回解説するのはメカニカルキーボードのキースイッチの種類とそれぞれのスイッチが持つ特徴や用途別にどのスイッチがおすすめか紹介します。
目次に戻るキーボードの軸の種類と特徴
メカニカルキーボードのキースイッチには主に3つのタイプがあります。一つはクリック感のあるもの(クリッキー)、少しだけカチッとするもの(タクタイル)、クリック感のないもの(リニア)です。各軸の特徴はこれらに加えて押下圧が異なりますが、最も異なるのは押したときの感触の違いです。
以下にどんな軸が存在しそれぞれどのような特徴を持っているか紹介します。

クスノキ
この中だと私は赤軸選びがちだけど”おすすめ”は用途によりますね
軸 | 特徴 | 押下圧 | キーストローク | 音量 |
---|---|---|---|---|
赤軸 | リニア | 45g未満 | 2mm | 静か |
茶軸 | タクタイル | 45~55g | 2mm | 普通 |
青軸 | クリッキー | 50g前後 | 2mm | 大きい |
銀軸 | リニア | 45g未満 | 1.2~1.5mm | 静か |
黒軸 | リニア | 60g以上 | 2mm | 普通 |
赤軸

- 押し心地:なめらか(リニア)
- 押下圧:45g未満
- キーストローク:2mm
- 音:静か
赤軸のキースイッチは軽めのタッチ感が特徴でゲーム向けのスイッチとされています。キーを押す時にどの程度の距離押し込まなければならないかを示すキーストロークが短いためキーを押すのに必要な力が小さく疲れにくいという特徴もあります。他のスイッチと比較して静音性に優れることから静かな環境での作業にも適しています。
赤軸はその利点の裏返しでキーを押した時の反応が無いためキーを押したことを認識しづらくミスタッチしてしまうことがあり、その柔らかいタッチ感故に誤字や脱字が起きやすいため、ブラインドタッチに慣れていない人にはやや使いづらいかもしれません。
茶軸

- 押し心地:軽くカチッと(タクタイル)
- 押下圧:45g~55g
- キーストローク:2mm
- 音:普通
茶軸のキースイッチは軽めのタッチ感が特徴で主にタイピングやゲームなどでよく使用されるスイッチです。軽めのタッチ感が特徴ですがキーを押すのに必要な力が赤軸よりもやや大きく、キーを押した際にかちっと押したというフィードバックが得られるのが特徴です。赤軸と比べるとタイピング時に誤字脱字が起きづらく正確なタイピングを行うのに向いています。静音性にも優れていることから静かな環境での作業にも適しています。
”赤軸と比べると”ややキーの押し込みに力を要することから普段赤軸に慣れている人は長時間のタイピングは指の疲れを感じやすいかもしれません。
青軸

- 押し心地:カチッと(クリッキー)
- 押下圧:50g
- キーストローク:2mm
- 音:大きい
青軸のキースイッチの最大の特徴はそのタッチ感と打鍵音です。キーを押した際に明確なクリック音が響くためキーを押したことを音でも確認しやすくタイピング時にリズムが生まれやすい特徴があります。反応速度が速いことからタイピングやゲームに向いているキースイッチと言われています。キーの押し込みに必要な力は赤軸や茶軸よりも大きいですが、キーを押した確かな反応から正確なタイピングに向いているでしょう。
しかしながら青軸はキーを押した際のクリック音が大きいため周りに人がいる場合には迷惑をかける可能性が高いです。赤軸や茶軸よりもキーを押すのに必要な力が大きいため長時間に渡るタイピングは疲れが出やすいといえます。常に音が響き続けるため指の疲労だけでなく耳も疲れやすいのが欠点としてあげられます。
銀軸

- 押し心地:なめらか(リニア)
- 押下圧:45g未満
- キーストローク:1.2~1.5mm
- 音:静か
銀軸のキースイッチは軽めのタッチ感が特徴で赤軸よりもさらにゲーム向けのスイッチとされています。キーを押す時に必要な力は赤軸と変わりはありませんが、キーを押す時にどの程度の距離押し込まなければならないかを示すキーストロークとどれくらいキーを押し込んだら入力されたと反応する作動点がが赤軸よりもさらに短く、ゲームのように1フレームでも速く入力したい場合や連打するような場面ではその特性が利点として作用する反面、普段のタイピング時にはキーに軽く触れただけで反応してしまうため赤軸以上に誤字が発生しやすい敏感なキースイッチと言えます。(静音性は高い)
ゲーム用にキーボードを購入する場合にはおすすめできますが、初めてのキーボードや普段の作業などにも使用するのであれば別のキースイッチをおすすめします。
黒軸

- 押し心地:なめらか(リニア)
- 押下圧:60g以上
- キーストローク:2mm
- 音:普通
黒軸のキースイッチは重ためのタッチ感が最大の特徴です。キーを押す時に必要な力が60gと重たく誤字が発生しづらいためタイピングに向いているキースイッチです。押下圧が青軸と同じように重たいですが、キーを押した際のクリック感がなくリニアな点が黒軸の特徴で明確なクリック感が特徴の青軸と異なります。
キーを押してキーが戻ってくる力の強さが強くなれていない場合違和感を感じやすいキースイッチですが、逆に気に入る場合もあるようです。
静電容量無接点方式
これまで紹介した◯軸というキースイッチは接点接触方式と呼び物理的にスイッチが触れることでキーが入力されたと判定する仕組みでした。この静電容量無接点方式は機械的に接触することで入力を検知するものではなく、電極同士が接近することで変化する静電気を読み取って入力を検知する仕組みとなっています。
これによりどれくらい静電容量が変化したら入力されたと判定するかを細かく調整でき、細かく自分好みにカスタマイズできるのが最大の特徴です。
打ち心地はスコスコと表現され軽め。音も上品な音と称されます。
基本的に産業向けキーボードで採用されている方式ですが、個人向けには東プレのREALFORCEシリーズとPFUのHappy Hacking Keyboard(HHKB)のみ採用しています。
機械的な接点を持たない仕組みを利用する方式であるため機構が物理的に劣化することが殆どないことから耐久性に非常に優れている反面、製品の価格が通常のキーボードと比較して高価(15000円~40000円)であることが欠点と言えるでしょう。
【キーボード選び】おすすめの軸・スイッチと選び方
それぞれのキースイッチが持つ特徴について紹介しましたが、具体的にどの軸がおすすめできるのか。
どのキースイッチがおすすめなのかは使い手の用途によるので筆者がコレだ!と断定することは難しいです。
例えばゲーム向けなら銀軸がおすすめですが、キーボードはゲーム以外にも日常的に使いますよね。そうなると銀軸はおすすめできないんです。
そこでこういう用途ならこの軸がおすすめできるよという形でおすすめの軸を紹介したいと思います。(静電容量無接点方式は除外)
改めて各軸の特徴はこんな感じです。
赤軸>銀軸>黒軸>茶軸>青軸
(赤~黒は大差なし)
銀軸>赤軸>茶軸>黒軸>青軸
銀軸>赤軸>青軸>茶軸>黒軸
(押し心地の軽さとは感触とは異なります)
青軸>茶軸>黒軸>赤軸>銀軸

クスノキ
バランス取らないといけないから悩みますよね
以下に想定される用途ごとに筆者がおすすめかなと思う軸を優先度の順に紹介します。
赤軸>茶軸>茶軸>青軸>銀軸>黒軸
茶軸>赤軸>黒軸>青軸>銀軸
赤軸>黒軸>茶軸>銀軸>青軸
青軸>茶軸>赤軸>黒軸>銀軸
実際にキーボードを購入する目的は様々なので新しいキーボードを買う際に少しでも参考になれば嬉しいです。ゲームにしか使わないんだ!という場合は銀軸や赤軸が良いでしょう。ただ日常的に使うとなるとミスタッチしづらいものを選んだ方が快適だったり・・・悩ましい!
バランスをとるなら公約数的に選ぶと良いですよ。
目次に戻るおわりに
メカニカルキーボードの主要なキースイッチを解説しました。今回紹介した5つの軸以外にも似たような特徴を持つ軸もありますが、それらの軸を採用する製品ラインナップ的にも今回は除外しました。キーボードの魅力にすっかり取りつかれて他にも知りたい!となった方はぜひ調べてみてください。
メカニカルキーボードを何個か購入すると好みのキースイッチや今度はこっちを買ってみようかなと選び方に幅が出てきて楽しいです。赤軸が好きだ!と発見できても今度は赤軸のキーボードの中にも色々な良し悪しがあって。本当に自分の手に馴染むキーボードはなかなか見つからないかもしれませんが、道中楽しむための参考になれば書き手冥利に尽きます。