こんばんは、クスノキです。
ゲーム実況やゲーム配信をする人の多くが購入することになるキャプチャーボード。ご多分に漏れず筆者もゲームの映像を撮影することがあるので購入することに。性能はいくつかありますが今回は4K60FPSで録画できるものを条件に考えていたので実質的に候補は2つだけでした。
その中で今回はElgatoのキャプチャーボード「Elgato 4K X」を購入したのでレビューします。
目次
Elgato 4K X:一問一答
「Elgato 4K X」について知りたいという方に一問一答ないしは箇条書きの形で特徴を簡潔にまとめます。
Q:Elgato 4K Xの性能は?
パススルー | フレームレート |
---|---|
1080p | 60, 120, 144, 240 |
1440p | 60, 120, 144, 240 |
4K | 60, 120, 144 |
録画解像度 | |
1080p | 30, 60, 120, 144, 240 |
1440p | 30, 60, 120, 144 |
4K | 30, 60, 120, 144 |
パススルー、録画の両方で最大4K 144FPS撮影に対応しています。
Q:Elgato 4K Xのメリットは?
- 4K144FPSで出力と撮影ができる
- ドライバインストールの手間がないからすぐに使える
Q:Elgato 4K Xのデメリットは?
- 値段が37,980円で高い
- HDMI入力だけなので昔のゲームは映せない
- 映像遅延があるのでパススルー利用必須
Q:Elgato 4K Xを買うときの注意点は?
キャプチャーボード本体とPCとの接続がUSB-CなのでPCにType-Cポートがあるかどうかに注意してください。
Q:Elgato 4K XとAverMedia GC553G2の違いは?
解像度4Kに対応するキャプチャーボードを購入するときにElgato 4K Xといっしょに比較されるのがAverMediaのGC553G2です。
パススルー | 録画 | |
Elgato 4K X | 1080p240 1440p144 4K144 | 1080p240 1440p240 4K144 |
AverMedia GC553G2 | 1080p360 1440p240 4K144 | 1080p240 1440p120 4K60 |
まずはパススルーから。Elgato 4K XはフルHDで240FPSに対応しているのに対してAverMedia GC553G2はフルHDで360FPSに対応しています。4Kはどちらも144FPSに対応。
一方で動画撮影はフルHD240FPSに対応するのはどちらも同じですが、4KがElgato 4K Xが144FPS、GC553G2が4K60FPSに対応しています。
2024年時点ではどちらも必要十分、特にElgato 4K Xはかなりオーバースペックです。少なくとも主要動画サイトでは60FPS以上の高フレームレート再生には対応していません。
将来対応するかは不明ですが、PS5世代になって動画サイト側が144FPS再生に対応する日が来ることを見越すのであればElgato 4K Xの方がおすすめになりますね。
Elgato 4K Xの仕様
入力 | HDMI |
出力 | HDMI |
キャプチャ | 1080p30, 1080p60, 1080p120, 1080p144, 1080p240 1440p30, 1440p60, 1440p120, 1440p144 4K30, 4K60, 4K120, 4K144 |
パススルー | 1080p60, 1080p120, 1080p144, 1080p240 1440p60, 1440p120, 1440p144, 1440p240 4K60, 4K120, 4K144 |
サイズ | 112 x 72 x 18 mm, 91g |
システム要件 | Windows 10(64bit), macOS 11, iPadOS 17以上, 第6世代Intel Core i5, AMD Ryzen 5以上 NVIDIA GeForce GTX 10シリーズ以降 USB 3.2 Gen 2 |
同梱物 | Game Capture 4K X, USB 3.2 C to C(150cm), 8K HDMI(200cm) |
Elgato 4K Xを開封・同梱物
同梱物は「4K X」本体とHDMIケーブル(200cm)、PC接続用のUSB-Cケーブル(150cm)、説明書です。
Elgato 4K Xが取り込めるゲーム機
Elgato 4K Xは入力出力含めてHDMI端子にのみ対応しています。そのため、HDMI端子出力に対応しているゲーム機であれば映像を取り込むことができます。例えばこんなゲーム機はもちろんOK。
- PS5
- PS4/4 Pro
- Xbox Series X/S
- Xbox One X/S
- Nintendo Switch
- Steam Deck
- ASUS ROG Ally
- PC
- Mac
- iPad(別途HDMI出力用のアダプターが必要)
- iPhone(別途HDMI出力用のアダプターが必要)
- スマホ(別途HDMI出力用のアダプターが必要)
- その他HDMI出力ができるもの
残念ながらそのままの状態でPS2やNintendo 64などのステレオAVケーブル(黄・白・赤)を使用するものは映せません。AmazonではRCA to HDMI変換器が販売されているので変換器を使うことで映せるのかもしれませんが試してないのでここではできないとしておきます。
Elgato 4K Xを使った感想・レビュー
すぐに使えるのがElgatoキャプチャーボードの利点
キャプチャーボードといえばAverMediaとElgatoの2メーカーが比較されることが多いと思います。筆者は実際にどちらの製品も使ったことがありますが、映像を映せるようになるまではElgatoが圧倒的に早いです。
ドライバのインストールが不要で、既にOBSが導入されていればすぐに映すことができます。Elgato製のソフトウェア(4K CAPTURE UTILITY)もあるので必要であればそれをインストールすることで映すこともできます。
ドライバのインストール自体はそれほど手間ではありませんが、ドライバー周りのトラブルが意外と多いのでその辺りを特に意識する必要がなさそうなのがElgato製キャプチャーボードの利点と言えそうです。
筐体が安っぽい→熱不安
「Elgato 4K X」は約4万円のキャプチャーボードですが、筐体がプラスチックで安っぽいですね。4K解像度での録画は処理が多いこともあり発熱する傾向にありますが、排熱は大丈夫だろうかという不安があります。
筆者の場合は4K撮影でも特にオーバーヒートは確認されませんでしたが、Amazonレビューを見てみると4K144FPSでは撮影が止まってしまうという報告がちらほら見受けられます。
キャプチャーボードはHDMIやUSB-Cケーブルを挿し込む製品です。特にHDMIは近年太めのものが増えており、伸ばして使っても形状が元に戻ろうとします。その抵抗を無視する程度の重量感はほしいですね。
映像遅延があるためパススルー利用必須
筆者は最初PCの出力端子をキャプチャーボードにそのまま挿して動画を撮影するPC上で動作を確認しましたが、映像遅延が顕著でした。戦闘が発生するゲームでは無理です。Apex Legendsをキャプチャーボードの映像越しに遊んでみましたが、まともに狙えませんでした。
キャプチャーボードはどうしてもこの遅延がネックになるため多くの製品でパススルーと呼ばれる機能があり、この機能を利用することで遅延のない、普段ゲーム機からモニターに映しているときと同じように映像を見られる機能があります。
筆者は以前AverMediaの「GC550 Plus」を利用していましたが、こちらはキャプチャーボードの映像越しでもストレスなく遊べました。その時はスプラトゥーン3が出たばかり。友人とDiscordで喋りながらゲームがしたかったのでそういう使い方をしていました。全く遅延がなかったわけではありませんが、少なくとも筆者のレベルであればスプラトゥーンのような動きの激しいゲームでも特にストレスなく遊べるレベルでした。
それと比べると今回購入した「Elgato 4K X」は映像遅延が顕著に見られるため、パススルー利用を前提としたうえで購入したほうが良いですね。
キャプチャーボードメーカーの性能記載に注意
キャプチャーボードメーカーはより高い解像度、高いフレームレートに対応していることを謳うために4K60FPSとかそれ以上の数字を宣伝に用いますが、実際にそれに対応しているのはパススルーであって録画の方ではないということが良くあります。
パススルー自体は重要な機能なのでそのやり方についてとやかく言う気はないのですが、実際にどの解像度とフレームレートで録画できるのかのほうがよほど重要なのです。少なくとも筆者はそうです。
この辺りは動画を撮りたいのか配信をしたいのかで重要視する性能指標が異なるのかもしれませんね。
とにかく。パススルーの性能と録画性能は異なるため、勘違いして本来必要な性能に満たないものを購入しないように注意しましょう。
主要なキャプチャーボードメーカー、AverMediaとElgatoの製品のパススルー性能と録画性能を記載しておきます。今回はUSB型のものをピックアップしています。
パススルー | 録画 | |
Elgato 4K X | 1080p240 1440p144 4K144 | 1080p240 1440p240 4K144 |
AverMedia GC553G2 | 1080p360 1440p240 4K144 | 1080p240 1440p120 4K60 |
AverMedia GC555 | 1080p240 1440p144 4K60 | 1080p240 1440p144 4K60 |
Elgato HD60 X | 1080p240 1440p120 4K60 | 1080p60 1440p60 4K30 |
AverMedia GC551G2 | 1080p240 1440p120 4K60 | 1080p60 1440p60 4K30 |
AverMedia GC553 | 1080p240 4K60 | 1080p120 4K30 |
Elgato Game Capture NEO | 4K60 | 1080p60 |
AverMedia GC311 | 1080p60 | 1080p60 |
AverMedia AVT-C878 PLUS | 4K60 | 1080p60 |
おわりに
「Elgato 4K X」のレビューでした。