こんばんは、クスノキです。自作PCを自分で組もうと考えたときCPUとグラボは比較的予算に応じてすぐに決まるでしょう。しかし、マザーボードの選び方はそれらと比べると難しめ。
今回は自作PC初心者の方向けにマザーボード選びのポイントや注意点についてまとめます。
2025年8月におすすめのゲーミングPC
| 製品名 | ![]() NEXTGEAR JG-A7G60 | ![]() G TUNE DG-A7G70 | ![]() G-GEAR GE9A-R251/BH |
|---|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 5700X | Ryzen 7 9700X | Ryzen 9 9900X |
| GPU | RTX 5060 | RTX 5070 | RTX 5080 |
| 性能目安 | ✕4K/60FPS △WQHD/60FPS ◯フルHD/144FPS ◯フルHD/60FPS | ✕4K/60FPS △WQHD/60FPS ◯フルHD/144FPS ◯フルHD/60FPS | ◯4K/60FPS ◯WQHD/60FPS ◯フルHD/144FPS ◯フルHD/60FPS |
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目次
マザーボードの選び方
マザーボードは基板です。CPUやグラボやメモリを挿すために必要なパーツです。家で例えるなら基礎部分。基礎の上に色々な材料が乗っかって家ができあがります。PCも同じイメージです。
マザーボードの選び方は様々。先にCPUを決めてからマザーボードを決める人が多いと思います。どういう順番で構成を決めていくかはそれぞれの作りたいPCの形によりますが、ここではマザーボードを選ぶ際の4つのポイントについて解説します。
大きさを選ぶ
マザーボードには主に4つのサイズ規格があります。
最も大きいものがE-ATXです。フルタワーやミドルタワーと呼ばれるPCケースではATXが採用されていることが多いです。ミニタワーにはMicro ATXがよく使われます。Mini ITXはさらに小さなケースに使われますが、ゲーミングPCの場合グラフィックボードを搭載するためのスペースが必要なので多くの場合ATXかMicro ATXのどちらかを選びます。E-ATXは一般的には販売されておらずサーバー向け製品に使用されることがほとんどです。
マザーボードのサイズとPCケースの対応サイズが一致している必要があるため、マザーボードが大きいのであればPCケースも大きくなります。これは将来の拡張性に余裕があることになるため、PC本体の大きさを気にしないのであればATXを選んでも良いでしょう。できれば小型でもしかすると持ち運びもするかもしれないという方はMicro ATXをおすすめします。
注意点として例えばマザーボードの大きさをATXにするなら購入するPCケースもATXに対応したものにしましょう。
ソケットを選ぶ
マザーボードを選ぶ上でソケットも無視できません。ソケットはCPUの裏側にあるマザーボードと触れる部分のギザギザの形です。この形がマザーボードとCPUで同じである必要があります。
例えばCPUのソケットが「LGA1700」という形のものにする場合、マザーボードも「LGA1700」のものにしてください。この形が違うとCPUを搭載することができません。
ソケット形状はCPUの世代が新しくなると変わることになる場合が多いです。
下記Intel製CPUとAMD製CPUの世代とソケットの対応表を参考にしてください。
| Intel製のCPU | ソケット | チップセット |
|---|---|---|
| Ultra 2世代 | LGA1851 | Z890 |
| B860 | ||
| H810 | ||
| 14世代 | LGA1700 | Z790 |
| H770 | ||
| B760 | ||
| Z690 | ||
| H670 | ||
| B660 | ||
| H610 | ||
| 13世代 | LGA1700 | Z790 |
| H770 | ||
| B760 | ||
| Z690 | ||
| H670 | ||
| B660 | ||
| H610 | ||
| 12世代 | LGA1700 | Z690 |
| H670 | ||
| B660 | ||
| H610 | ||
| 10及び11世代 | LGA1200 | Z590 |
| Z490 (BIOS更新で11世代もOK) | ||
| H570 | ||
| B560 | ||
| H470 (BIOS更新で11世代もOK) | ||
| H510 | ||
| 10世代 | B460 | |
| H410 | ||
| 末尾に「X」が付く7~10世代まで | LGA2066 | X299 |
| AMD製のCPU | ソケット | チップセット |
|---|---|---|
| 6世代 | AM5 | X870, X870E |
| B650, B650E | ||
| X670, X670E | ||
| A620 | ||
| 5世代 | AM5 | X670E |
| X670 | ||
| B650E | ||
| B650 | ||
| 2~4世代 | AM4 | X570 |
| 3及び4世代 | B550 (3世代はCPUにグラボが積まれていると不可) | |
| A520 (3世代はCPUにグラボが積まれていると不可) | ||
| 1~4世代 | X470 (BIOS更新で4世代もOK) | |
| B450 (BIOS更新で4世代もOK) | ||
| 1~3世代 | X370 (BIOS更新で3世代もOK) | |
| B350 (BIOS更新で3世代もOK) | ||
| A320 (3世代はCPUにグラボが積まれていると不可) |
チップセットを選ぶ
マザーボードの大きさとソケットを選んだら次はマザーボードの性能で最も重要になるチップセットを選びましょう。おそらく多くの方が迷ってしまうのがチップセットによる違いでしょう。
まずどのチップセットから選ばなくてはならないのか。ソケットと同じようにやはりCPUの対応チップセットと合わせる必要があります。
例としてCPUが「Z790」にしか対応していないのであればマザーボードも「Z790」を選ばなくてはなりません。
チップセットにはいくつかの種類があり、その種類の中で世代による違いがあるということになります。Intel第13世代であれば「Z790」、12世代であれば「Z690」のようにZシリーズがあったり、Hシリーズもあります。それぞれの違いと特徴は以下のとおりです。
| Intel製チップセットの見方 | |
| Xシリーズ | 「Core i0-00000X」などの末尾に「X」が付くCPU対応の超ハイスペックなモデル |
| Zシリーズ | オーバークロックが可能でハイスペックなモデル |
| H70シリーズ | 安価で性能も良いモデル(標準) |
| Bシリーズ | コスト重視モデル(ビジネス向け) |
| H10シリーズ | 一番安価なモデル |
| AMD製チップセットの見方 | |
| X399以外のXシリーズ | ハイスペックモデル |
| Bシリーズ | 安価で性能も良いモデル |
| Aシリーズ | オーバークロック不可で安価なモデル |
チップセットによってマザーボードの値段が変わるのですが実際のところ何が違うのか。最も大事な点はCPUをオーバークロックするかどうかです。それによって選ぶチップセットが変わります。オーバークロックする予定があるならオーバークロックに対応したマザーボードを買いましょう。
オーバークロックしたい人が選ぶチップセット
Intel製CPUなら「Xシリーズ」もしくは「Zシリーズ」。よく選ばれるのはZシリーズです。
AMD製CPUなら「Xシリーズ」もしくは「Bシリーズ」。
オーバークロックしない人が選ぶチップセット
Intel製CPUなら「Hシリーズ」もしくは「Bシリーズ」、予算に余裕があるなら「Zシリーズ」です。
AMD製CPUなら「Bシリーズ」もしくは「Aシリーズ」です。

フクロウ
オーバークロック以外の差はあるの?
オーバークロック以外の差はストレージの拡張性やWi-Fiに対応しているか、端子の種類など、総じて利便性に違いがあります。次項で解説する「その他の用途や拡張性を選ぶ」に関する違いになります。
重要なポイントがあります。オーバークロックしてCPUの性能を引き上げた場合は別ですが、そうではない場合チップセットのグレードによってゲーム時の快適さが変わるわけではありません。
オーバークロックすれば性能は上がりますがオーバークロックしないのにわざわざ「Hシリーズ」じゃなくて「Zシリーズ」を選ぶ必要はありません。その差でゲームのパフォーマンスが変わるわけではありません。
細かい話ですがもしCPUをオーバークロックする予定があるならマザーボードのVRMフェーズ数という仕様が10以上のものを選ぶようにすると快適にオーバークロックができます。
その他の用途や拡張性を選ぶ
基本的な選び方は上述の3点で十分です。ただしマザーボードには最初からWi-Fiアンテナを内蔵しているものとしていないものなど細かなグレードの差が設けられています。マザーボードのRGB LED機能の有無などもここに当たります。
他にもPCを使う用途は様々です。作業的にThunderbolt 3ポートが必要だという人はThunderbolt 3ポートに対応したグレードのマザーボードを選ぶように気をつけましょう。
おわりに
改めてマザーボードの選び方のポイントを見てみましょう。
マザーボード選びが難しいのはCPUと対応させる必要があるからです。「あれはこれでこっちはこうで…。あれ何だったっけ?」
はじめて自作PCを組むときはCPUを先に決めてそれに対応したマザーボードを選ぶのように一つずつ解決していくと失敗せずに満足できるゲーミングPCを無事に組み上げることができると思いますよ。





